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講師に向く人とは?(講師の適性について考える)

  • tsunemichiaoki
  • 2024年11月5日
  • 読了時間: 11分
講師

本日もセミナービジネス研究所の記事をご覧いただきありがとうございます。あらゆる経営者の方が事業を発展させていく上で、セミナー展開の価値、メリットを感じていただくために、セミナー展開で御社の事業あるいは経営者であるあなた自身のアピールをしていただきたいと考えております。

そのために、セミナー展開をどのように行っていけばよいか、という基本をお伝えするため、そしてご参考になるのでは、という記事を書き連ねております。


前回まで、スライド資料の作り方についての基本から応用的なものまでご説明ご紹介をしていました。そのテーマは一区切りで今回から別テーマとして、セミナー展開に欠かせない講師について掘り下げたいと思います。

これまでのメールマガジンでは、セミナー展開をしていくうえでの講師は、経営者の方ご自身が務められることを前提としてお話を綴ってまいりました。

しかし、セミナー展開をより広く、大きくしていくうえでは、講師を経営者の方以外が務めることも必要不可欠なことになってきます。

では、社員の中から誰でもよいか講師を任せればよいのか、という問題、課題に直面することになります。そこから切り込んでいきましょう。




それでは今回の本文をどうぞ。




第1章 優秀な社員即、講師?


80:20の法則あるいはパレートの法則。

これらの言葉はお聞きになったことがありますか。


いろいろな世界で言われていますが、ビジネスの世界で使われるたとえとして、営業品目のうちの20%が会社全体の利益の80%を稼ぎ出している、というような、一瞬考えるだけではありえないでしょ、ということがいざ正確にデータを取ってみるとその通りだった、というように、世の中のことは、ありとあらゆるものが均等分散しているのではなく、非常に偏りが多い、ということを統計的に整理し法則として世に示され、多くの方がそれに納得して活用している法則です。


世界の富の大多数が、ごく一部の大富豪の持つ資産となっている、というような話もお聞きになったことがあるのではないでしょうか。そこまで行くと80:20の法則を飛び越えてしまいますが、いずれにせよ、富の偏在というのは資本主義経済が発展した今、ますます勢いづいている、とも言えるのではないかと思います。


さて、今回はお金の話をしたいわけではなく、講師に向く人とは一体どのような人だろうか、ということをお伝えするものですので、話を元の道に戻しましょう。



これは前職のセミナー会社における経験に基づいて若干脚色しているものですが、他の会社でも起きうる話を思ってお読みいただければ幸いです。



業務への貢献、という意味では、一人ひとりの社員の仕事に掛ける思いや持っている力量の差はどうしても出てしまいますので、全員一律の成果を上げ、全員一律のお給料、というわけには行きません。


管理職を任せられる人であれば、基本的には業務パフォーマンス良好でなおかつ、人とのやり取りがそれなりにできる人ですから、社会人としては一定水準以上にある人、と言っても間違いはありません。


では、管理職の人であれば、誰でも講師ができるか、向いているか、ということで考えていきましょう。




まず、できる可能性があるか、という意味ではもちろん“Yes”です。


講師に必要な要素の一つの概念化能力が磨かれているからこそ、業務パフォーマンスも良好で、管理職も務められる、ということになります。


概念化能力、と言っても堅苦しい言葉ですから、なんとなくはご理解いただけたとしても、今ひとつピンとこない、という方もおられるかもしれませんので、セミナー講師をしていく上での実務を踏まえながら少し補足説明をしますね。




まず初めに期待することは、全体をざっくりでもいいから把握し、そして伝えることができるかどうかです。


実は今、このブログ記事は電車の中で書いているのですが、


電車とはどのようなものですか? 子どもでもわかるように簡単に説明を!


という問いかけに対し、




『ある場所からある場所にとても速いスピードで人を運んでくれる便利なものです』


というような説明と


『専用の二本の線路の上を電気の力を使って走る金属製の車両を何両も連結して、運転士と車掌が乗務して安全第一の心がけで動かすもので、◯◯重工業他の各社が製造しているものです』



というような説明と、あなたであればどちらを好みますか。

どちらも間違っているわけではありません。


しかし、ぱっと全体を掴みたい、と考えれば細部の話を聞かされるよりも、全体像、大枠についての話を易しい言葉を使って聞きたい、と思うのが一般的ではないでしょうか。




全体を掴むのが得意な人、細かいところが気になってそこに深く入り込んでいける人、


どちらが優れている、劣っているという話ではありません。

それぞれの特質が違う、ということです。



その見方からすれば、管理職を任せられる人材は、一定水準以上の概念化能力を持ち合わせている、ということにほぼ繋がります。


セミナー講師が細かい話ばかりしていては、聞いている人がもしいったん迷子になるともう全くついていけなくなってしまいますから、この概念化能力は必須と言ってもよいものです。



ここから考えていくと、この第1章のタイトルにも記した、「優秀な社員は講師に向いているか」という点は、実は即座に“Yes”とは言えなくなってしまいます。


大枠を掴むのが得意な人って自分の周りで考えたら誰だろう?

細部を詰めていくのが得意な人って自分の周りで考えたら誰だろう?


と自問自答してみると、それぞれ思い浮かび人が出ませんか。


そうなんです。

人それぞれは持ち味が違う一方で、それらの人々の誰が優秀な社員で誰は今一歩で、というような識別は簡単にはできません。


そうなると、業務、業績への貢献が大きい、いわゆる優秀とみられている人がすべて講師に向くか、というと決してそんなことはない、ということをご理解いただけると思います。





第2章 この人に任せて大丈夫かな?


第1章では優秀な社員が即、素晴らしい講師ということには繋がらないことをお話しましたが、では逆に、残念ながら優秀とは評価されていない社員の場合の、講師としての適性はどうなのでしょうか。


話の流れからお察しいただけるとは思いますが、そうなのです。優秀とは言えないから即、講師にも不向き、とは言えない、というのが私の考えです。


とはいえ、可能性という観点から考えれば、優秀な社員の方が講師としてうまくいく可能性のほうがやはり高いことは否めません。


ポイント、本質を押さえる能力が業務パフォーマンスのよい社員の方がやはり高いからです。



では逆に、ポイント、本質を押さえる能力が今ひとつの社員が講師を務める、ということはありえないことなのでしょうか。


はい。これも話の流れでお察しいただけると思いますが、以下の項目で秀でた部分があるならば、ジャンル、テーマによっては講師としてとても良いパフォーマンスを発揮してくれる可能性は大いにあります。


さあここで、「以下の項目で」と記した部分。何が当てはまるとお感じになりましたか?



少し時間を取って考えてみましょう。



さあ、どのようなことを思い浮かべましたか。



・話し好き

・人前でももじもじしない

・営業経験が豊富

・堂々としている



このような項目を意識された方もおられるでしょう。



いずれも間違っていると言下に否定するものではありませんが、私の視点は少々異なります。


講師にとって大事なことは・・・


第3章でお答えしますね。





第3章 講師に必要な基本的な軸とはなんでしょうか?


講師に必要な軸。


少々堅苦しいタイトルで恐縮ですが、オンラインセミナーがこれだけ週流になった今でも、セミナー講師は、基本人前で自分をさらけ出して話を展開し、受講者が一定レベル以上の知識等を得たうえでお帰りいただく、という一連のプロセスを管理、コントロールしなければなりません。


既に経験してその壁を突破している人にとっては当たり前のことかもしれませんが、これから始めて経験する、という方にとってはとてつもなく高く、厚い壁が目の前に立ち塞がっていると感じられることでしょう。



そうなんです。


セミナー講師に限らず、人前に出ることは慣れないうちは誰にとっても大変です。

そのために一所懸命リハーサルして、話す順番、詳細の内容を暗記するくらいにまで一生懸命準備をする。


大変素晴らしいと思います。

ですがそのリハーサルを、自分を過信し、高をくくって割愛してしまう。結果として本番で失敗をしてしまう、あるいはしどろもどろになってしまう。


どちらをあなたであれば選びますか。


答えは申し上げるまでもなく明白なことですが、

私はあえて申し上げているのは、過度なリハーサルは不要、ということです。


もちろん講師の性格タイプによっても同じことは言えないのですが、とにかくセミナー展開で大事なことは、何もオープニングで冗談を言って皆を笑わせることではなく、第2章の最後でも問いかけたことなのです。



ここまで引っ張ってすみません。


たとえ業務パフォーマンスが今一歩でも、立派な講師になれる可能性のある人。

それはどんな人かと言えば、



お客様のためを思った言動ができる人



なのです。

堅苦しく言えば、受講者のベネフィットを最大限大きくしようと考えて、講師業務に一生懸命取り組む人ということになります。


ここがブレずに対応することができる人であれば、多少、話が下手であっても、お客さんにはその思いは伝わり、お客さんの方からこの人から何を学べばよいのだろう、というスタンスになって講義を聞いてくれる、演習に取り組んでくれる、という好循環が生まれる可能性が高くなります。


もちろん必ず生まれます、とは言えません。いくら心が伝わったとしても、形も整っていなければお客様が満足してくださることには繋がりませんから、そこは甘く考えないようにしましょう。



ですが、大事な軸があるかないかで、厚みという点では天と地ほども開きが生じる可能性があることは忘れないようにしましょう。





第4章 信頼


第3章でお伝えした部分でほぼすべてをお伝えし尽くしたとも言えるのですが、大事な軸を保持したうえでセミナーを続けていけば、このような状態に至ることができます、というお話を最後にさせていただきます。


改めて申し上げるまでもありませんが、セミナーは講師と教材があれば成立するというものではありません。


何よりも聞いてくださるお客様がいてこそ成立するものです。


そこで必要になることは何か。


正しいことを伝えることが大前提ですが、正しければよい、伝えされすればよい、ということではないことをここまで本記事にお付き合いいただいた方であれば十分にご理解いただけることと思います。


そうなのです。


講師と受講者の間での双方向コミュニケーションがないことには、成功するセミナーに近づくことは全くありません。

短時間の動画で伝えることができるものと同様であれば、確かに一方通行でも問題ありませんが、そこまで考えてしまうと、そもそもそれはセミナーとして開催する必要がありますか、ということにもなってしまいます。


セミナーを開催する以上は、オンライン開催であっても双方向のコミュニケーションがあるのが当たり前、という意識は必ず持ってください。


唯一の例外は大規模で開催するオンラインセミナー(ウェビナー)でしょう。

100人を超えるようなウェビナーでは回線の関係上、また運営管理上、受講者側は聞くだけにならざるを得ません。

会場開催であれば最後に会場から人数限定で質問を受け付けます、というような運営が可能は可能ですが、オンライン開催の場合はそれも困難です。


ゆえに、そのような例外中の例外のような場合以外は、双方向のコミュニケーションが前提でセミナーは企画開催する、という認識をお持ちください。


そしてその双方向コミュニケーションがあってこそ、この章でお伝えしたいことの基盤が生まれるのです。


そしてそれが出来上がってこそ、セミナーがフロント商品であるとすれば、バックに控える商品の案内ができる、あるいは成約まで引き出せる、ということになるのです。


それがなにか。


両者の間に生まれる信頼、信頼関係なのです。


最後は人と人の信頼関係。

これができ上がれば。セミナー自体の運営管理の質が多少悪くても、関係を深めるうえでの支障にはまずなりません。


そして信頼は気づくうえでの必要な労力、かかる時間は決して短いものでありません。ですが、崩れる際はあっという間、ということも意識しておく必要があります。


セミナー講師としての一挙手一投足が見られている、評価されている、ということを講師、セミナー主催者はいつ何時でも忘れることは許されません。


そしてそのことと、業務パフォーマンスが必ず比例するとも言い切れないのです。

だからこそ、講師に向く人、講師としての適性のある人、という人材発掘は簡単そうでも意外とそうでもない、ということになります。



どうぞセミナー展開をしていくうえで、講師が経営者だけという状況から一段階上を目指し、社員さんの中から講師ができる人を探し広げていく際には、本日の記事を参考にして、自社なり、自分なりの講師発掘、育成方針を確立していただければと思います。


あなた自身、そして御社の発展がそこからまた加速することを期待しています。


(了)

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