続・1枚の絵、写真から語ってみよう!
- tsunemichiaoki
- 2024年10月29日
- 読了時間: 6分
更新日:2024年10月29日

本日もセミナービジネス研究所の記事をご覧いただきありがとうございます。あらゆる経営者の方が事業を発展させていく上で、セミナー展開の価値、メリットを感じていただくために、セミナー展開で御社の事業あるいは経営者であるあなた自身のアピールをしていただきたいと考えております。
そのために、セミナー展開をどのように行っていけばよいか、という基本をお伝えするため、そしてご参考になるのでは、という記事を書き連ねております。
前回は、スライド資料について基本的事項から経験者向けのお話として、話す内容の要約である文字情報を一切入れ込まないスライドを作ってみましょう、というお話を深堀りしました。その中でもう一つの視点があったことを思い出しました。
それでは今回の本文をどうぞ。
第1章 写真・イラストだけのスライド資料
セミナー開催時、写真・イラストだけのスライド資料に挑戦してみましょう、というお話しを前回の記事でいたしました。
文字情報が何もない中で、1枚の写真あるいは1つのイラストから話題を展開していくと、聞いている側にとっては自由な連想ができることもあって興味深く聞くことができる、ということにつながっていきます。
ただしそこにはやはりあらぬ方向に行ってしまい、収拾がつかなくなってしまう、下手な冗談を言って、場を盛り上げるどころか静まり返ってしまって間が持たない、ということになるのと同様のリスクを抱えているとも言えます。
故に、上級レベル向きのやり方です、ということを前回はお伝えいたしました。
いずれにせよ大事なことは写真及びイラスト素材です。
よいものがなければ自分で作るくらいの意気込みで、1枚のスライドに思いを込めていただきたいのです。
とは言え、文字情報が基本のセミナーのときであれば、間違いなくアクセントになります。
そして受講者側の緊張感を一瞬ですが開放することにも繫がります。
色々工夫してみましょう。

第2章 1枚の絵・写真から語るスライドの講師にとってのメリット
第1章では1枚の写真やイラストから話を広げていく手法について再度お伝えしました。
そのメリット及びリスクについては聞かなくても大丈夫というくらい理解を深めていただいたかと思いますが、実は講師にとってはもう一つのメリットがあります。
それが何かと言うと、自分自身の講師としての力量強化につながる、ということです。
当たり前ではありますが、1枚の絵やイラスト、あるいは写真から語るとなると、語る側も横道にそれやすくなります。話が拡散してしまうリスクを背負うことになります。
メリットは有る反面、リスクもだいぶ増すことになります。
そうなると、失敗したくない、という心理が働きますから、通常以上にこのスライドでは何を話そうか、どのように展開しようか、ということの試行錯誤を試みることになります。
要は自問自答の時間が増すということです。
その結果として、スライドの構成力、そして話の展開力、という点で確実に強化につながっていきます。
講師の説明は、当たり前のことですが、多すぎても少なすぎてもいけません。
どこまでどのように話をするか、同じイラスト・写真であっても、講師は水物ですから毎回、毎回、同じ進行ができるかというとなかなかそれは困難です。
ただでさえそのようなリスクを抱えている講師が、1枚の絵・写真を使うとなるとますます回ごとに話す内容が変わってしまう可能性が大きいわけです。
講師が楽をしよう、教材作成が間に合わないから、ここはこれで対処して、作成時間不足のキャッチアップをしよう、という短絡的スタンスではまずうまくいきません。
そしてここでお伝えしたいことは、絵や写真のみでその後のストーリーを全て作り上げて対応してください、ということではありません。
絵や写真で伝えたい主題があるとします。
それを文字情報として入れ込むことはその場その場に応じて対応すると効果が増す場合があります。
ご理解いただきたいことは、理路整然とした文字情報による伝達だけではない別な手法がある、ということです。
私の場合は、理解を深めていただきたいキーワードがある際に、そのキーワードを連想させる写真を探し出し、その写真を受講者の方に見せて、思い浮かぶキーワードを答えてもらう、というやり方をよく用います。
1問目はいきなり何をさせられるのだ、と戸惑う方もよく出るのですが、3問、4問とやっていくと皆さん要領を掴んで、より積極的に参加してくれることが多いです。
その上で、そのキーワードから派生した話を展開していく、という流れです。
場合によってはそのキーワードではなく、その背後に潜むより大事なキーワードを伝えたいがために前座、というわけではありませんが多くの方に正解を言ってもらえるキーワードをまず写真から導いて、その上でその奥にあるキーワードの解説をする、というやり方も取っています。
いずれにせよ大事なことは、講師がセミナーそして教材をつくるうえで、受講者の反応をどのように想定してその流れを作っていくか、というシナリオプランニングの時間を書けることです。
思いを込めて、1枚の絵・イラスト・写真を用いるスライド資料を作る。
大事にしましょう。

第3章 だまし絵
1枚のイラストが、人によって見えるものが違う、といういわゆるだまし絵というものをご存知でしょうか。
下記のイラストは有名なものかと思います。


右の絵は、見る人によって、若い女性に見える、別な人には老婆に見える、という絵です。
第2章お話した内容からはそれますが、これは初心者講師であっても使いやすいものです。
独自のスタンスでのスライドではなく、世界共通的にある狙いを持って多くの方々が活用しているスライドですから、その存在を認識して、どのカリキュラムの際には活用するのがよいかな、ということ考えて、フィットする際には積極的に活用するとよいでしょう。

第4章 まとめ
スライド資料は単純な文字情報だけではなかなか厳しいものがある、アクセントを入れたい、そのための手法や考え方を3回の記事に分けてお伝えしてきました。
社会人向けの一般的な(技術的なものを含めて)教育というものであれば、スライド資料はあったほうが良いですし、その多くは文字情報が中心であるべきです。
ですが、びっしり文字ばかり、というスライドはNGですし、キーワードだけ、というスライドもお勧めしません。
セミナーの場はあくまで講師も含めてですが、皆がリラックスして、でも興味深く何かを学ぶ、という状況を作り出すことが何よりも大事です。
それが脳の活性化につながるからです。
そのために教材作成時に意識したいテクニックと言えるものをいくつも紹介してきました。
そしてその一つとして、ただし講師経験をある程度積んだ方以上にお勧めしたい手法として、単独の絵、イラスト、写真のみを用いて、文字情報を入れ込まないスライドも作って使ってみましょう、という提案をさせていただいたのが今回の記事です。
繰り返しですが、これも使いすぎると逆効果になる手法です。
ワンポイントリリーフのような気持ちでこの手法を用いることで、受講者側にホッとする、という感じが出るのが狙いたい効果です。
必ず使わなければならない手法ではありませんが、使えるようになると教材作成の幅が間違いなく広がります。
よいイラストや写真を探すのが一苦労、ということにもなりかねませんが、チャレンジしていただきたいと思います。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
(了)
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