アンケート開発の基本
- tsunemichiaoki
- 2024年12月24日
- 読了時間: 6分

本日もセミナービジネス研究所の記事をご覧いただきありがとうございます。あらゆる経営者の方が事業を発展させていく上で、セミナー展開の価値、メリットを感じていただくために、セミナー展開で御社の事業あるいは経営者であるあなた自身のアピールをしていただきたいと考えております。
そのために、セミナー展開をどのように行っていけばよいか、という基本をお伝えするため、そしてご参考になるのでは、という記事を書き連ねております。
セミナー開発の基本として概要、カリキュラム、教材、理解度テスト開発の基本と進めて来ました。いよいよ今回がその完結編、という位置づけで、研修終了後に行うアンケートに付いてお伝えしたいと思います。それでは今回の本文をどうぞ。
第1章 アンケートを実施するうえでの基本
前々回の記事で、以下のことをお伝えしました。
今の日本におけるセミナー展開状況からすれば、最後にアンケートを求められる、というのは当たり前のことになっていますので、殆どの方は抵抗感なく協力してくださるありがたい状況が生まれています。
しかし、セミナー主催者、そして講師の側からすれば、わざわざ貴重な時間を使ってアンケートにご協力いただく、という意味で、心からのお礼、感謝の気持を示すことができるかどうかは大事な視点です。
アンケートよろしく、という感じで講師から投げられると、それだけでそこまで満足していたとしても、何だ偉そうに、ということでアンケート評価が下がることにもつながるでしょう。
お急ぎかもしれませんが、少しだけお時間ください。どうぞよろしくお願いいたします。というスタンスでアンケートをお願いすることがまずは基本です。
ここまでが前々回お伝えした内容です。
アンケートはあくまで受講者にとっては面倒なもの、という可能性をしっかり意識して対応する必要があるわけです。
あくまで理想論ですが、主催者側、講師側が完璧なセミナー運営ができている、という絶対的な自信があれば、アンケートは取るまでもないわけです。
参加された受講者の表情等を見れば、聞くまでもなく満足してくれているはずですから。
しかし現実にはそのようなことにはまずなりません。
次に向けての改善のヒントが欲しいからアンケートを実施する。
あくまで主催者都合、ということを常に意識する必要があります。
第2章 アンケート作成の基本
その上で、アンケートそのものについて、どのような内容、どのような量のアンケートをお願いするか、ということに話を進めましょう。
大きく考えれば、アンケートで求めるとよい視点は2つです。
その日のセミナーの満足度確認と、次に向けての何らかの情報という2つです。
今日は参加されて満足ですか。はい、いいえ。
この先なにか聞いてみたい、参加してみたいセミナーはありますか。
という感じですね。
1つ目の方でよくある形式は、5段階評価で点数を記入してもらう、選んでもらう、というやり方です。
もちろん3段階でも構いませんし、10段階でも構いません。
どのレベルで評価を得たいか。
粗いデータでもよいのか、できるだけ細かいニュアンスまで掴みたいのか、によって、決めれば良いことになります。
ただし、5段階ではなく、4段階の設定を選ぶこともあります。
4段階にすると中庸、普通、という選択肢を排除することになります。
とても良い、良い、悪い、とても悪い
という4段階ですね。
普通という選択肢を排除することによって、お客様の本音をより確実に掴みたい、という意図です。
しかし私はこのスタイルは一長一短ある、と思っています。
自分が参加する側でこの評価基軸を出されるとやはり戸惑うことがあるからです。
本当は普通、という可もなく不可もなく、という評価にしたいのですが、その選択肢がないことで、あえて自分の意図するところとは違うものに評価をつけることになるな、と感じることが何回かあったからです。
ではもう一つの方に進みましょう。
2つ目は選択肢をいくつか用意してチェックを入れてもらうやり方もあれば、自由記入欄にしてフリーコメントを書いてもらうやり方もあります。後者であれば無記入ということもありですから、情報収集という意味では効果が薄くなりますが、気軽にアンケート対応する、という意味では受講者側への負担は少なくなります。
そこからさらにアンケートを複雑化して、もっと細かい情報を取ることも設計次第でもちろん可能です。
ですがそれは受講者側の負担を増やすことは間違いありませんので、どこまでお願いできるかは互いの関係性の中で判断していくことになります。
その上で、もう一つだけ触れておきましょう。
なかなかこのような状況になるセミナーは限られているのですが、アンケートへの記入がある意味セミナー内容の一環と言っても良い状況になり、受講者にとっての振り返りになるケースがあります。
知識の習得セミナーではなく、自己啓発的な内容で、自分の何かと向き合うことで力量を高めていくことを狙うセミナーであれば、何を学んだか。それをこの先どのように活かしていくかを記してください、というアンケートでも大抵の方は十分な時間を取って、たっぷりと文字情報をアンケートに記してくださいます。
その時間が、自分での学びの反芻、そしてこの先の自分自身の行動を促進する材料になるからです。
通常のアンケートでは、書き終わったあとは下手をすると書いてあげたよ、という感じになるわけですが、上記のびっしり文字を埋めていただけるような場合であれば、まるでアンケート記入がその時のセミナー受講の最終仕上げの課題のような感じになり、書き終えたあとの受講者の表情も充実感がより増す、ということも生まれます。
全てのセミナーでそのような状況を生み出せれば理想ですが、セミナー主催者、講師としてはその様になるケースも有る、ということも頭の隅において置くと良いでしょう。
第3章 集めたアンケートの活用
アンケートを実施することよりもっと重要なことに話を進めます。
それは何か。
実施より重要なことは、集めたアンケートの活用です。
せっかくお客様が貴重な時間を使って書いてくださったアンケート。
まさか宝の持ち腐れになっていたりしませんよね、ということです。
当然です、という答えが即答できれば、
すごい!
ということです。
実際のところは、なかなかそこで集まったすべての情報を活用する、というところに至っていないのが現実ではないでしょうか。
点数評価部分は集計していたとしても、自由記入欄で書かれたコメントについてはそのまま放置、ということになっていたとしたら、残念ながらアンケートを実施した意味は半減です。
どのようなアンケートにしようか、という設計開発のところで悩むより、すでに手元にある回収済みのアンケートを100%有効活用できているかどうかのチェックの方が実は遥かに大事です。
まずあなたの周りではどのような状況になっているかという確認から始めてください。
少々厳しいですがはっきり申し上げましょう。
活用できていないアンケート内の情報があるようであれば、その項目をアンケートに入れ込むことをやめましょう。
お客様にも失礼だ、という意識で社内を良い方向に持っていってください。
少しでもいいのです。確実にアンケートでのお客様の意見を活かして社内でPDCAを回していってください。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
(了)
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